コーラ白書
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コーラの友と言えば、スナック菓子の右に出るものはいない。オイリーでジャンクテイストのスナック菓子は、コーラの永遠のベストパートナーといっても過言ではあるまい。過去からコーラメーカーはこの組み合わせに着目してきたが、近年スナック菓子メーカーとのコラボレーションによりさらなる需要を喚起しようとする動きが見られるようになった。

今回はコカ・コーラとペプシのスナックコラボ企画の対決である。

 


 

日本コカ・コーラがパートナーに選んだのは老舗菓子メーカー・明治。両社は2011年に「コカ・コーラゼロ」と「カール」の店頭クロスマーチャンダイズ等で協業するなど、連携を深めている。

両社はコーラによくあう食材として人気の高いバーベキューに着目。カールの新製品「カール・こくうまバーベキュー」を開発し、6月26日の発売と同時にコカコーラ・ゼロとのコラボレーションを開始した。

赤い「カール・コクうまバーベキュー」のパッケージには、食欲をそそるバーベキューの写真と共に「コーラに良くあう」というケロ太のメッセージ入り。通常のカールに比べ味が濃く、ビーフと甘辛いタレのフレーバーが口の中に残る。食べ進むとちょっとしつこくなってきて、歯にカールが絡まってくるのだが、これをコカ・コーラゼロがリセットしてくれるのが素晴らしい。

また明治は両製品とオリジナルコラボグラスのセットが2000名に当る「カール×コカ・コーラゼロEnjoyキャンペーン」を展開している。ほんわかしたカールおじさんと、シャープなゼロのデュアルロゴがとても新鮮に映る。

 

 

一方ペプシは傘下にスナック菓子メーカーを持つ強みを生かし、コラボレーションするコーラと菓子を同時に開発するという大胆な行動に出た。そうして生まれたのがPEPSI MAX CEASEFIRE(ペプシシーズファイア)とDORITOS BURN(ドリトスバーン)である。

DORITOS BURNはコーンチップ「ドリトス」のスペシャルバージョン。BURNの名とパッケージが示すように、燃えるような激辛フレーバーが特徴だ。ただでさえ味の濃いドリトスに、さらにレッドペッパーが追加されているのだ。

炎のドリトスとコンビを組むのはライム風味のペプシマックスだ。CEASEFIREとは消火の意味。つまりドリトスで燃えた舌をライム風味の爽やかなペプシで消火しようということなのだ。両製品のパッケージの裏には公式の食べ方として、1.ドリトスバーンで火をつける 2. ペプシシーズファイヤで冷やす 3. 繰り返し と書かれている。もはやこれは自作自演だ。

興味深いのは、それぞれのパッケージに相手の写真入り広告を入れている点。どちらか一つでも手に取れば、キャンペーンの概要がわかる仕組みだ。資本関係のあるペプシならではの仕掛けである。

正直ライム味のペプシを飲んだところで舌の辛さは収まらないのだが、両社の相性はとても良い。ジャンクフードの王道的組み合わせと言えるだろう。

このペプシのコラボキャンペーンは2010年のアメリカを皮切りに、オーストラリアやニュージーランドでも展開された。日本に来る日も近いのかもしれない。

 

 



今回のスナック菓子コラボ対決は、ペプシに軍配を上げたい。ペプシはコーラとスナック菓子の両方からのアプローチで、ゴールデンコンビを作り上げた。炎と消火というストーリー性のあるコンセプトに、ペプシのマーケティングセンスが光る。互いに相手の広告を入れることによるシナジー効果も高く、実際店舗でも並べて販売されている姿をよく目にした。

一方コカ・コーラ×カールは明治が一方的に歩み寄った形で、コカ・コーラ側の公式アナウンスは広報ブログのみ。コカコーラゼロのパッケージにも特に記載はなく、コラボというよりは片思いといった印象を受けた。一方のカールのパッケージにも「どのコーラに合うか」という説明がなく、なんだかもやっとした感じは否めない。もっとガッツりやればいいのに。